ゲイプライドマーチも大成功
いやあ、疲れちゃってまた更新に間が空きました。
もう7月ですね。今年も折り返したか。早いなあ。
ゲイプライドは浴衣姿が功を奏して、なんと地元24時間ニュースチャンネル「NY1」のニュースクリップにばっちり3秒ほど我らが勇姿が映っておりました。ミーハーです。はい。
さて、ミーハーじゃないところで、やっぱね、ソドミー法違憲判決はブッシュ政権に評判が悪いようで。ブッシュが大統領の間は同性婚の解禁はないね、この国じゃ。それが5年先になるか、それとも来年の大統領選の大番狂わせがあって3年先になるかは、神のみぞ知る。しかし、この5年で絶対に政治日程に上ってくるでしょうね。それは予言者じゃなくてもわかります。
さてその前に、片づけておかなければならないのがサントラムっていう上院議員の問題だ。
この5月、フィラデルフィアのセントジョセフ大学の学位授与式で同州出身の上院議員リック・サントラムが壇上から演説しようとしたとき、600人の卒業生の約100人がいっせいに立ち上がって退場するという“事件”が起きた。サントラムはその前月のAPとのインタビューで同性愛を重婚、一夫多妻などと同等だと非難した人物。一斉退場は、そんなサントラムに同大の名誉学位が与えられることへの抗議だったんですな
反応したのは退席した100人だけではなくってね、他の卒業生の多くも卒業帽にレインボーカラーの房飾りを添えて臨席していたんですね。レインボウカラーはご存じのとおり生/性の多様性を示すゲイのシンボルカラー。一斉退場の際には会場にとどまる学生からも大きな拍手が挙がった。
まさかイエズス会のこの大学にこんなに多くのゲイ学生がいるとはだれも信じないわな。もう、意識的な若い世代にはゲイかゲイでないかはあんまり関係ないみたい。要は、お互いの差異を認め合って生きる社会を作るか、差異を憎悪に変えるようなシステムで生きるかっていう選択の問題なんだわな。そんなの、答えは決まり切ってるんだけどね、バカにはどうしても自分が後者に属してるっていう事実がわからんようなのだ。
さて、サントラムの肝心のその発言を精査してみまひょか。
やっこさんは次のようにのたまったわけです。
「合意があれば家庭内でどんな性行為も許されると最高裁が認めたら、重婚や一夫多妻や近親相姦や不倫の権利も認めることになりなにをしてもよいことになってしまう」
そうそう、お気づきのように、これは例の最高裁のソドミー法判断を前にしての発言だったわけ。結果はご存じのように違憲判断だったんだけどさ、さて、すぐに「重婚や一夫多妻や近親相姦や不倫」を思い浮かべてしまう汚らわしい思考傾向を持つ、ということ以外に、このサントラムの発言のじつは何が本質的に問題なのか?
「同性愛は重婚とか一夫多妻とは違う」という意見があるけど、そういった場合に違うのは何? 同性愛は重婚とかと違って犯罪ではない? でもね、そういう論理はサントラムのような人には「同性愛も犯罪」なのだから効き目がないのね。
ではどう違うと考えればよろしいのでしょうか。
サントラムの論理は、この手の人物によくある傾向なのだけど、そもそも前提からおかしいんですね。「合意があれば家庭内でどんな性行為も許されると最高裁が認めたら」という部分がパープリンに間違いなのさ。
最高裁=司法は「家庭内の性行為」を含むすべてのプライバシーに対して口出しをしないというのがこの市民社会の大原則。その上でそのプライベートな行為がパブリックな社会に大きな害を与えると判断した場合にのみ、それに法的な制限が加えられる。それが近代民主法制度の基本なのであるわけ。だから最高裁が認める以前に「合意があれば家庭内ではどんな性行為も許される」の。これが前提。その上でどれはダメだということを定める。社会に害を与える重婚などが禁止されたのはそういう経緯なのだ。
それでは「同性愛」は重婚や一夫多妻と同じような、社会に対する弊害を持っているのでしょうか? そこが違うところですね。サントラムは害は自明だと言うだろうけど、ためしに例示を求めれば彼は答えに窮するでしょう。きみは例示できる?
ブッシュ人気に力を得た共和党は、そんなサントラムの非論理を支持してる。つまり、個人のベッドルームにも介入するような全体主義社会がよいと言っているのと同じなのです。でも、バカだから自分の言ってることの重大さに気づきもしない。それって、すごいでしょ。
あと5年もこんなのが続くと思うと、さすがにげんなりしてきますね。