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ふと思ったんだけど

こうやってここにひんぱんに書いていたら、バディとか、他にもいろいろと頼まれてあちこちにコラムを書いてるんですけど、そこで書くことと重複してしまうんじゃないかって、あらら、そうなったら書くことがなくなるかも。まずいかなあ。

まずくはねえよね。
いくらでも書くことはあるし。
ここは、いわば、下書きみたいに書けばいいよね。

私には、いま気になる人が何人かいる。
1人はね、テレビのドラマの制作者なんだけど、ま、彼の才能云々が気になるんじゃなくて、というか、才能はあるのだ。だからそれはいいのです。でもね、鬱なんだよね、彼。かわいそうに。パッと見はね、それこそ、非の打ち所のないエリートテレビマンよ。でもね、いろんなこと考えてるんだな。それに感受性も強い。そしてそれをあまり表に出すことを潔しとしない。ま、問題はこの「表に出すことを潔しとしない」という部分にあるのかもしれないけど、出したら?といって出してそれで問題が解決するならとっくに解決してるでしょ。ぼくはね、彼のことを、東京にいるんだけどさ、いまは、毎日、気にしてる。

もう1人はね、トランスジェンダーの子でね、これもまた日本じゃ“珍しい”存在でしょ。いまじゃゲイとかレズビアンとかは相対的に「あ、知ってる」という存在になってきたけど、TG/TSはね、昔からの「オキャマ」とか「ニューハーフ」とか、だいたい、ゲイの間でだってはっきりわかってないんだ、どういう存在なのか。世田谷で上川あやさんという区会議員が当選したけど、ぼくはね、これは日本のすごいとこだと思ってる。同時に、日本の手強いところでもある。そうそう、そのTGの子、その大変さが、ぼくにはとても気になる。力添えできるものなら、力添えしたいけど、いまのところはその子の存在に私の方が力づけられているという感じだね。

そうしてもう1人、この子は、病気なんだ。ゲイであろうがあるまいが、病気というのは降りかかってくる。白血病なのね。やっぱり大変な病気よ、こりゃあ。私にできることはなにひとつありません。まいります。そういうときにね、難しいこと考えてもね、彼には直接的には有効じゃないんだわね。おまけに、この子、頭がいい子でさ、まだ20歳そこそこなのに、人の心の機微がわかっちゃうんだな。もうちょっとのんびりしてたら楽なんだろうになあとおもうけど、そんなこと、言ってもしょうがないやね。

サルトルがさ、(サルトルって、古いか?)、「飢えた子供の前で文学は有効か」ってのを60年代に言ってるんだよね。わしゃあね、それも命題の立て方が違うんでないかいって、ずっとそういうふうにこなしてきたけど、しかし、その命題はそれはそれで、じつはたしかに存在するんだわな。

けっきょくは、そういう、現実的なレベルと、概念なレベルと、二股かけて考えかつ対処してゆかねばなんねえってことなんだろね。

二股掛けるの、得意になんなきゃ。時代はマルチよ、やっぱり、うん。

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