ラストサムライ
なんだかせわしない。
来週あたりからみんな休みに入るので、いろいろ仕事が今週に重なって大変っす。そういうわけで今週はあまり更新できないかも。
アメリカではフルーがはやっているようですが、ま、外に出る暇もないので大丈夫でしょうな。
といいながら、昨日、「ラストサムライ」を見てきました。ハリウッド、という次元で、これはなかなかいい映画でした。というか、外国映画の中の日本人を見て「いいなあ」と思ったのはこの映画が初めてなんですね。だからいい映画に思えるのかもしれないけど。
劇場内のあちこちですすり泣きが聞こえていました。なんというかまあ、「ダンス・ウィズ・ウルブス」とか「ラストモヒカン」とか、そういうたぐいのたいそうな叙事詩+メロドラマで、トム・クルーズはこれでオスカーを取るでしょう。なんといっても、トム・クルーズが、この映画ではトム・クルーズを演じていないというのがよろしかった。ちゃんと劇中のオルグレンになっていました。
渡辺謙も最優秀助演賞ですね。というか、渡辺謙が主役の映画みたいなもんでしたから。うちのキョンはもう渡辺謙にめろめろでした。ま、あいつはたいした役者です。ぼくはフジテレビ系の、なんだっけ、「斬九郎」の時代劇、あれ見て、うめえなあ、こいつって思ってました。昔の大河ドラマのときもよかったけど、病気して力抜けて、鬼気の迫り方にもふっと抜ける人間くささがある。そういえば奥さんの借金問題、どうしたんだろ?
でもわたしは、これを見ながら、ひょっとしてこれってイラク戦争かもな、との思いが浮かぶのを止められませんでした。西欧化と、それに抗する旧体制。イスラムの戦士たちの中には、これをほんとうにジハードと信じている人たちもいるはずでしょう。後世、彼らがフィクションの中ででも、あらたなコンテキストとともに「勝元(渡辺謙の役)」として描かれることはあるのだろうか、と。
映画から一夜明けたらサダム・フセインが捕まってましたけど。
ラストサムライのストーリーはすべてフィクションですが、一番のフィクションは、この泣かせる「日本人」像なのかもしれません。あんな日本人、いるかよ、って、そんなふうに思ってしまう情けない日本に、複雑な心境です。