イラクとベトナム
アメリカのメディアは連日、例のイラクの刑務所の性的拷問・虐待問題で大変。
当のアメリカ人はというと、困ってる感じなのですね。どう反応したらいいか。そりゃ、けしからんとは思ってるし、ひどい、とかって言うんだけどさ、でも、困ってる、当惑、ってのが近いかね。
外国に送っている兵士たちってのは、アメリカ人にとってはヒーローなわけだよね。そんなヒーロー像が瓦解するわけだから、まあ、いってみればバットマンが実は覆面の変態強姦魔だったって新聞でスッパ抜かれるときの子供たちの反応を思い浮かべればいいの。
これってね、ベトナム戦争のときのソンミ村を連想しました。1968年の事件だからわたしゃここにゃいなかったわけで実際は知らないのだが、きっと、同じような反応があったんじゃないかなあ、と。
ソンミ村ってのは、カレー中尉ってのが(ほんとはカリー中尉って発音するんだけど、当時の日本の新聞はみんな「カレー」ってやってた。カレーライスに引っ張られたんだわね)ソンミ村の非戦闘員の村民を皆殺しにしちゃったっていう事件。
ベトナム反戦運動の一つのモメンタムになった事件でね、イラクのこのアグレイブ刑務所問題も、ともするとラムズフェルド更迭、米軍撤兵、ということに結びつくかも。でも、まあ、所期の目的も達成せずに撤兵なんてことになったらブッシュはつぶれるけどね。