ご無沙汰
サーバーがダウンしていて、ずっと書き込みができませんでした。
その間にも日本の総選挙やらカトリーナの顛末やらいろいろなことがあったのですが、なんだか機を失してしまいました。
ただ、カトリーナの被害を見ていると、都市の衰亡の新しい形を見ているような気がするのです。アメリカはこれまで鉱山や鉄鋼や自動車産業の町のゴーストタウン化を経験してきました。が、中心気圧が904ヘクトパスカルというこの驚異的なハリケーンは、ニューオリンズの半数以上の被災者にもうこの街には戻りたくないと思わせているようなのです。たしかに復興ままならないうちに再び同じようなハリケーンが襲ってきたら(あるいは来年、再来年でも)この数字はもっと増えるでしょう。といっているうちに、リタが襲っているのですが。
カトリーナは沿岸部でさえ海水温が32度だったというメキシコ湾内の異常なエネルギーを吸収して発達したのでした。
カエルを水から茹でると(ってすごい実験ですが)気づかずにいつまでもじっとしているので最後には茹で上がって死んでしまうそうです。本当にそうなのか、なんとなく嘘っぽいのですが、ただし危険というのはそういうものかもしれない、という感じはします。
カトリーナがそのまま地球温暖化の兆候なのか私にはわかりません。ただ確実に地球環境はその方向で変わっていくはずです。産業構造の推移ではなく、自然環境の変化による町の放棄という事態の、これが米国での、目についた最初の例だったということにならなければよいのですが。
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ところで10年前に中西部一帯の大洪水を取材したことがあります。その際はいま批判の矢面に立っているFEMA(連邦緊急事態管理庁)が行く現場現場で活躍していて、州兵や民間ボランティアの活動をあまねく統率していて見事でした。
クリントン政権下での当時のFEMAは閣僚級の長官を擁した大きな組織でした。それを9・11以降のブッシュ政権が国土保安庁の傘下において権限を縮小し、大幅な予算カットと人員削減を行ったのです。
そこを攻めているヒラリーら野党民主党を見ていて、ふと日本の民主党のことが気になりました。沈滞気味とはいえアメリカの民主党は人権、福祉、外交、財政問題など共和党との違いがもっとわかりやすい。ところが日本の民主党は、惨敗した選挙前の話だけではなく43歳の前原某が代表になって、憲法9条の改正問題などなんだか言っていることがますます自民党に似てきた。
戦争なんて日本は絶対にやらないと思っていたのですが、最近はどうも違ってきたかもしれません。「いつまで北朝鮮に好きなこと言わせてるんだ」というイライラした層が確実に増えていて、そのあたりの無党派層が「変革攻撃型」の小泉さんや安倍さんを支持しています。すると先制攻撃型のミサイルを持てという世論まであと少しの距離なんじゃないかという疑心暗鬼まで生まれます。「戦争じゃない、自衛だ」という論もありますが、戦争はいつも自衛の論理で始まる。だから第9条があったはずなのです。
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われわれは愚かなカエルか、それとも心配症の炭坑のカナリアか。それがわかるときにはそれにはもう何の意味もないのですが。