土の中の子供
創設70周年記念という芥川賞受賞作、中村くんというめんこい顔した男の子が書いた短編なんだけど、先日、読み終えて「????」。は? なんじゃらほい?
わからないというのではなくて、わかった上で、どうしてこれが受賞するのかがわからんのだ。子供の作文だぜ。何なんでしょう? みんな、孫引きの貰い受けの焼き直しの、つたなくおさないテキストだ。ぜ〜んぶ、どっかで聞いたようなことばかりの羅列なの。わかりましぇん。んで、選評読んでも選考委員は黒井千次しかまともには褒めてない。黒井千次だぜ、おいおい、内向の世代かよ! そういや連中の書いてたのもこんな類いのもんだったっけなあ。
こういうのはさ、習作としては自室にこもる学生時代に書きためるべき,自分を鍛えるために問いかける種類のテクストの1つかもしれんが、ひとさまに見せるべき商品じゃあねえわな。なんだっちゅーんでしょ。でも、なんで黒井しか褒めてないのが受賞するんだろう。あ、そうそう、石原都知事もなんか、買ってるような筆致。やっぱバカだ、あの政治家。
だれか、読んだっすか?
わたしはもうこの時代を読めなくなっているのでしょうか?
というか、これがいまの商品なんだかもなあ。
芥川賞って、「蛇にピアス」のときに、おれの高校時代からの友人の、かつて文学少女だったやつが言ったことを思い出してしまうんだわ。
「ねえ、太宰が獲れなかった賞よ。こういうので獲らしてもいいわけ?」