懐妊、懐胎、妊娠
国会での小泉の驚きようったら、あれは本当に知らなかった顔でした。
彼のところに情報が集まっていないということ。これはなにかの象徴でしょう。
なんの象徴か。
先週末のことです。3日の共同電を引きましょう。
見出は「閣内からも慎重論 皇室典範改正、難航も」でした。
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女性、女系天皇を容認する皇室典範改正案をめぐり、3日午前の閣議後記者会見で一部閣僚から「しゃにむにやらなければいけない法案か」(麻生太郎外相)などと、慎重論議を求める声が出された。(中略)麻生外相は「男子皇族が生まれないかのような前提で話をしている。もう少し議論が必要だ」と指摘。(後略)
毎日はもうちょっと詳しい。
「外相と財務相が慎重論 反対派が勢い?」として
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谷垣氏は「天皇の地位というのは日本国民統合の象徴だから、今国会であろうとなかろうと、じっくり議論して、すんなり決まるように運ぶのが望ましい」と述べ、意見対立が残ったままでの改正に慎重な姿勢を示した。谷垣氏は1月17日の会見で「女系天皇を決断すべきではないか」と改正案に賛成の意向を表明しただけに、慎重論に方向転換したとみられる。
さらに、中馬弘毅行革担当相は「まだ雅子さまも、紀子さまだって男の子を懐妊される可能性が十分あるのに、なぜ急ぐんだという慎重論がどの派閥にも出ている」(後略)
この時点で、永田町の風向きがシフトしたのです。どうしてこうも一斉に? それはつまり紀子さんの妊娠の情報が、然るべきところに回されたということに他ならない。これがしかし、小泉には届いていなかった。これは何を象徴しているのでしょうか?
昨日のニュース画面で、メモを差し出されて驚き顔の小泉に対して、官房長官の安倍は後ろから覗き込むようにして表情を変えなかった。つまり彼も知っていたっぽいですな。
麻生が知っていた、ということは秋篠宮→寛仁→麻生の線でしょう。麻生の妹は寛仁の奥さんですからね。秋篠宮と寛仁親王はヒゲつながり、ってわけじゃなくて。
6週ということは先月下旬にはわかってたってことでしょう。それでその情報が麻生や安倍に流れたということはつまり、皇室典範改正への慎重派=反対派へのリークということで、皇室典範改正論議にブレーキをかけるということになる。つまりこれが皇室筋の“意向”ということに。ってことは、秋篠宮の後ろには天皇がいるのかしらねえ、やっぱり。
「女系・女性容認は天皇陛下の意思ではない」っていうのは、寛仁がいろんなところで繰り返していたことですし。
これが宮内庁筋なら、とうぜん小泉周辺が知っているはずですから。
なんだか話がややこしくなってきましたね。ポスト小泉をにらんで、これではすでに情報合戦、政争の具だ。
ところで、皇室典範改正論議は「第3子の誕生を待って」という論理、すっごくおかしいんですけど、だれも言わないのはどうしてでしょう。
「男系」というのはとうてい無理がでてくるし,そもそも女系であっても女性であってもかまわないんじゃないか、といってきた世論も、とどのつまりはそれはそれ、次善の策だったのよということで、けっきょくは「男系」がいいってことなんですねー。あるいは「変わらないのが一番」という。それにしてもまるで第3子がすでに“健康”な“男児”であるかのような浮かれよう。はしたないというかなんというか。
これはなんとも失礼な話です。皇室にとってではなく、私たちにとって。これはとんでもない話なのです。
天皇制が差別構造の元凶だという、懐かしい理論を思い出しました。ヨーロッパで荒れているマホメッド冒涜の抗議の輩たちの崇拝も、似たようなものかもしれません。