ロミオ、ロミオ
男たちによる「白鳥の湖」(トロカデロじゃないほう。アダム・クーパーのです=写真上)で私たちにまったく違うバレエの地平を見せてくれたマシュー・ボーンが、今度はシェイクスピアのロミオとジュリエットを男ふたりに踊らせる企画をイギリスのサンデイ・タイムズのインタビューで明かしました。
その名も「ロミオ、ロミオ(Romeo, Romeo)」。
「スワン」はニューヨーク版(ウィル・ケンプのです)しか見てないけどすごかったです。バレエ好きのとーちゃんといっしょに観に行ったんですけどね、そうそう、気づいたのは、ダンサーたちがね、クラシック出身者とダンス出身者といて、踊り方が微妙に違っていたのが興味深かった。でも主役級はやっぱりクラシックね。姿勢が違う。
で、この「ロミオ、ロミオ」、マシュー・ボーンは「伝統的な男女のパートナーシップの踊りのダイナミズムに対抗するわけだから、大変なチャレンジになる」と覚悟してるようですね。彼は次のように言っています。
"It’s more to do with dancing than with sexuality.
「これは、セクシュアリティというより踊りに関係するチャレンジなんだよね。
A male dancer, whether he’s gay or straight, fits into a relationship with a female partner very happily.
ゲイかストレートかに関係なく男のダンサーってのは女性のパートナーのときがちゃんとハッピーにぴったりしているわけだ。
Getting away from that, making a convincing love duet, a romantic, sexual duet, for two men that is comfortable to do and comfortable to watch — I don’t know if you can.
それを別にしてもだれにも信じられる愛のデュエット、ロマンティックでセクシュアルなデュエット、それを2人の男の間で作ること、それも踊っていて心地よく、見ていても心地よいものを作るのは大変だ──わかんないよ、できるかどうか。
I’ve never seen it done...I have a way of approaching it so as to make it — I hate to say ‘acceptable’, it’s a terrible thing to say — but so that people don’t run screaming from the theatre.
だって、そんなのやったの見たことないし……ただぼくはそれに近づく方法は知っていて、だからそれを──「受け入れられるように」という言い方は嫌いだけど、ひどい言い方だろ──でもまあ、劇場からみんな叫び上げながら逃げてくなんてことのないようには作れる。
I let them find their own way with it, take it as far as they want in their own heads."
それぞれがその人なりにそれと立ち会う方法を見つけるような、それを頭の中でそれぞれの思いどおりに膨らませることができるような、そんなふうにするよ」
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今年の夏に何人か少人数でシーンのテストをしたり即興的に組み立てを試したりして、実際のリハーサル開始は来年早々を予定しているそうです。すごく楽しみです。