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マシュー・ミッチャムが金メダル!

北京五輪でゲイだと公言している唯一の男子選手(オープンリーレズビアンは9人いますけどね,男はカムアウトできないんだなあ)、オーストラリアのマシュー・ミッチャム(20)が、10m高飛び込みで、圧倒的な強さを誇る中国勢の一角を崩してなんと見事に金メダルを獲得しました。
現在発売中のバディに彼のこれまでの歩みを書いていますので合わせてご笑読を。

決勝は、ものすごく劇的な展開でした。
18日の3mの飛び込みではマシューは決勝にも残らない16位だったんだけど、23日の10mの決勝には2位で乗り込んでいました。「まあ、ダメ元だと思ってリラックスして、ただこの瞬間を楽しもうと思った。メダルなんて、ぜんぜん考えてなかった」と話しています。

で、決勝の第1回ダイブは平凡なもので7点台、8点台の得点で9位でスタート。先行きが危ぶまれます。
しかし第2回の飛び込みで3回転半のサマーソルトを決めて10点満点を付けたジャッジが4人も。これで一気に2位に浮上したのです。
以後5回まで1位は中国の周がキープ。マシューは2位で0.8ポイント差で追うけれど、このままでは逆転は無理かと思われました。

ところが最終ラウンドで周が痛恨のミス。なんちゅうの、3回転半後ろ宙返り? 難易度3.4のその着水で体が曲がったのね。判定は6,7,8点台とまちまち。

ここでマシューは勝負に出ます。なんと難易度3.8と周を上回る難しい飛び込みを敢えて選び、しかもひねりも空中姿勢も完璧は着水。今度もまた4人から10点満点! これで112.10点を獲得し、周を4ポイントも追い抜いてみごと金を獲得したのです。

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これはゴールドメダルを決めたマシューの飛び込みです=NYタイムズなどから。

水から上がったマシューは得点を見て両手を突き上げて歓喜、しかしすぐに膝から落ちて泣き始めました。そうだわねえ、鬱病にもなったつらい練習からの復活だもの。恋人のラクランもマシューのお母さんといっしょにもちろんこの会場で彼を見つめていました。

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今大会、中国は飛び込みで8つの金メダルを独占するつもりでいました。その夢が20歳のオープンリーゲイの男の子に破られた。

飛び込み選手の選手生命のピークはふつう20歳代半ばです。つまり、マシューは次のロンドンでも連覇を狙う、いやその次の16年の五輪でも登場してくるでしょう。

なんだか、関係ないけど、うれしい。
ダイビングの金は過去に20年前のソウル五輪で連覇のグレッグ・ルゲイナスがいるけれど、彼は金を取ってからのカムアウトでした。それに比べると、時代も世代も遅々としながらも確実に変わっています。うーん。感慨深いなあ。

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Comments

時々、覗かせてもらっています。
学生時代、高飛びをやっていたので、\毎五輪、高飛びは楽しく見ています。
今回はしょっぱなから、中国の8つの制覇とミッチャムの話題でしたので、
少々げんなりしていたのですが、
ミッチャムのインタビューの受け答えの誠実さに、この子可愛いかもと
年甲斐もなくファンになってしまいました。
彼、筋肉の付き方とか身体のラインがとても綺麗なので、それだけで得をしていると思います。
もちろん、技術も素晴らしいものを持っています。
しかし、応援席には同国の代表だと思うのですが、女性ばかり。
表彰台では銅メダルのロシア人、腰引けてるし…
オープンリーゲイに対しては、女性の方が受け入れやすいのかな?と思ってしまいました。
まだまだ20歳。ちょっと精神的に脆い部分があるようですが、メンタル面も鍛えて、今後も頑張ってもらいたいです。

akiさん、コメントありがとうございます。

マシュー、ホント可愛いですね。あの金メダルを決めた飛び込みのあとでテレビカメラに向かって両手をひらひらさせた仕草なんか、もうほんと、丸出しのかわいさでした。

オーストラリアのTVインタビューではお母さんとボーイフレンドと3人で出演していました。ボーフレンドのラクラン、こいつがまたでかくて、マシューは隣でまるで子供でした。微笑ましかったです。

こんばんわ。いつもお世話になっております、かいやです。
この度はアドレスを教えて戴きまして、本当に有難うございました。
なんだかとても真面目なブログサイト様だったので、私のようなものがコメントするのはいけないかな、と思いもしたのですが、ここはやはりしておくべきだろうと思い、全くない勇気を掘り起こしてみました。

今回のオリンピックには私は全く興味がなく、ニュースで結果等を知る程度だったのですが、マシュー君のような存在を教えて戴けたことはとても感謝しています。
スポーツ選手という立場でカミングアウトしていることに関してもそうですが、まだ若いのにも関わらず、鬱病にもかかったりなどしているということは相当辛い目にもあってきたんだろうなあ、と計り知れない気持で一杯です。
これからまだまだ鍛えていかなければならない面も色々とあるとは思いますが、頑張っていって欲しいな、と私も思いました。
そして、彼の爪の垢でも日本人の野球チームやサッカーチームに煎じて飲ませてあげたいな、と。

かいやさん

コメントありがとうございます。
男性のスポーツ選手というのはマッチョな世界に住んでいるのでなかなかカムアウトできないようですね。チームスポーツやコンタクトスポーツだと、なおさら難しいみたいです。

日本の五輪チームにもレズビアンやゲイはかならずいるはずなんだけど、だれもそんなこと思いも寄らないんでしょうね。

そういえば、セックスチェックというのも昔ありましたね。女性選手なのに遺伝子的には男性だったというのでメダルを剥奪されたり。とんでもない人権侵害でしたが、いまあの検査はどうなってるのかなあ。

北丸さま
あのセックスチェックは無くなっています。
あの検査の所為で、その後の人生がメチャクチャになった選手が多かったからだそうです。
検査の時まで、身体的には本当に女性で染色体だけが、なにかの偶然でY因子があるというだけの理由で、彼女達にはまったく罪は無いですからね。
以前、スペインの教授が言っていたのですが、
男性の中にも染色体異常でY因子がない人がいるそうで、男子選手まで検査したらとんでもない事になる」と言っていました。
私は医療者なのですが、産婦人科に配属されていた時、
適齢期になっても生理がなく、調べてみたら、Y因子がある染色体異常の女性がいらっしゃいました。医師も「珍しい事ではないから」と言っており、本人を始め、周りが知らないだけで、相当数の方が染色体にY因子を持つ、又は男性の中でY因子を持たない方がいらっしゃると思います。
ドラックに関しては、徹底的にやって貰いたいですが、染色体異常は本当にプライバシーの侵害だと思います。

高飛びをしていた時、同チームの競泳選手にもゲイの方がいた(未カムアウト)ので、まあ、日本スポーツ界、それなりの数のゲイの方がいらっしゃると思いますよ。

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