患者A
せめてAさん、Aくんと呼んでやれ。
犯罪者でも〜容疑者と付くのに、「A」とはいえ呼び捨てかよ。
舛添も「後期高齢者」という造語を作った心ない厚生官僚のテキストをだだ読みするだけだ。
こういうところだよ、この国の冷たさは。
いつも引用する産経の宮田一雄記者は、こうした言語感覚の鈍感さについて日本時間5月14日午前0時すぎの時点で次のように指摘している。そう、「患者A」はまさに彼の指摘したものの同じ文脈上に、当然のものとしてある。
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どうも用語にいちいち引っかかるようで恐縮ですが、《濃厚接触者》という言い方はなんとかならないでしょうか。例えば、新型インフルエンザの患者と同じ飛行機に乗り合わせ、半径2メートル以内の座席に座っていた人はウイルスの飛沫感染の可能性があるということで、《濃厚接触者》になります。
咳をしている人の隣の隣の席に座っていたら《濃厚接触》。こんな日本語、ありますか。濃厚な接触っていったら、裸になって抱き合うとか、激しくキスをするとか、なんかそんなイメージです。例えば直接の接触があったとしても、握手をしたぐらいで《濃厚接触》はないでしょう。さらに《者》までつくと、いかにも良くないことをしているイメージです。新聞記者とか(ちょっと違うか)。友達と話をしているだけで、なんでそんな言われ方をしなければならないの。
《疑い例》だとか、新型インフルエンザ患者の《第一号》だとか、検疫を《すり抜ける》だとか・・・。挙げ句の果てに《濃厚接触者》では、どう考えたって非難のトーンがつきまといます。《近くに座っていた人》で十分ではないですか。