Bouley
2006-03-03
Bouley
☆☆☆☆
120 West Broadway, NY., NY
TEL 1-212-964-2525
1)アミューズ;ゴートチーズのムースにマッシュルームのヨーク
2)生ウニに青リンゴのソルベを載っけて、あのとろりとした泡のソースはなんだったっけかなあ。ポン酢が下に敷いてあったわん。
3)これはルージェという地中海の赤い小さな魚を三枚におろしたやつを皮側をぱりぱりに焼いて、そんで、下にはラッキョみたいな小タマネギと、モレーユ・マッシュルーム(網傘茸)、そんでソースはロブスターとその焼いた殻でとったこれまた絶品の出汁ですね。うまかった。技の光る逸品でした。
4)なんだか妙にうまい卵をポーチにしてそこにトリュフのソースをかけ、スペインの生ハムであるセラノの上物を置き、さらにぷりぷりのプローン(エビ)を添えて、そこにパルミジャーノを一枚削いで、そのうえに100年もののバルサミコをかけてみました。まずいわけねーだろが、ンニャロ! これでかつおちゃんの彼氏であるレジーはブッ飛び、以後、重病人のように唸ったりヤク中のように天を仰いだりしながら食べ続けるのでした。
5)このイワシがまた、あーた、なんでしょ、わけわかりませんでした。口の中でとろけるニョッキといい、ソース自体、何ですか? 説明聴いてもわかりません。というか、説明聴いてもこんな味になるとは信じられないわけで。どうしてこんなにうまいの? イワシでしょ、だって、あーた。そうそう、このイワシのピュレみたいなソースにはほんのりとヴァニラが使ってあったのです。へええ、青魚の癖をヴァニラで中和させるなんて。まいった。
*
ここで私は思い出しました。
今夜はじつは、とても久しぶりにデイヴィッド・ブーレイその人がわれわれのためにキッチンに立って調理してくれたのでした。おもえば最近はずっとスーシェフに任せきりで、それも彼のレシピと指導で大したうまいのですが、それ、ちょっとちがうんです。思い出したのは、デイヴィッドの料理は、なんでこうなるのかわからない、一体感と統一感なんだわなあ。解析できないの。
*
で、
6)牡蠣とシュリンプの蒸し物、オレンジソース
ひえー、ぽわぽわ。牡蠣はあくまで牡蠣っぽく、エビはエビの甘さをそのままに、この食感はなんでせう? 涙が出てきます。これは13年のブーレイ通いで最も新しいコンセプトでした。このエビはオイルに入れて低温で加熱したそうです。道理で味が逃げていないんだね。
7)このあたりで私らは4人で4本目のワインに突入。酔っぱげてます。で、ナンタケットのブラックバスをなんかの出汁ソースで加熱トマトを下に敷いてピーを散らして出してくれた、ものすごい軽〜い、でも深〜い味だった。バスの火の通し加減も、そう、こうなんだよねえ、ブーレイって。生じゃないけど、わずかにタンパク質が変質し始めるそこんところで,ハイドーゾ。
8)これはもう腹一杯だから肉料理は1つでいいよっていったら最後に出てきたもの。リー・ドー・ヴォーです。子牛の胸腺。そういや、ブーレイでリー・ド・ヴォー食べるの初めてです。下にはアスパラとなんかのグリーンのソースで、口にしたとたん、は? とっても懐かしい味がするのはどうして? 何が入ってるの? と思いを巡らすがわかりません。で、降参。訊くと、カルダモンだそう。つまり、カレーの一部を構成するスパイス。はあ〜、そうだ、そうだよ、こりゃ。周りのぐるりはバナナのピューレだよん。で、別盛りの皿で、ブーレイの有名なポテトピューレが出てきたわけです。
このあとはデザート4皿でした。
バラの花びらのソルベとか。カレーのアイスクリームとか。
もう、極楽とはこのことです。
4人で食べて、このコースはシェフズメニューで1人135ドル。
ワイン4本。
サンセールから初めて、ニュージーランドのMatakanaワイナリーのピノグリを2本。
それで、ソムリエの勧めてくれたシラーズを勧められるままに。これもうまかった。
でもヨッパげてて覚えてないです。すんません。
で、830ドルくらいかな、ぜんぶで。
それでチップを入れて1000ドル払いました。
ひとり250ドル計算です。でも、ワイン1本ずつ飲んでこれだもん、日本の感覚じゃ信じられないくらい安いよね。