ランファン・キ・レーヴ
2006-9-6
ランファン・キ・レーヴ
☆なし
〒007-0880 札幌市東区丘珠町604-1
モエレ沼公園ガラスのピラミッド内
TEL 011-791-3255
L'enfant qui reve、つまり英語では The child who dreams「夢見るあの子」って感じの意味ですね。le (the) と定冠詞なのが訳しづらいところ。そういう謂いがフランスにはあるのかしら?
ここは札幌から20分、な〜んにもないところに出現したイサム・ノグチのデザインとなる公園のなかにあるしゃれたレストランです。いろんな人から勧められて、ランチに母親、叔父夫婦を連れて行ってまいりました。
アミューズはどういう順番で食べればいいのか、コーンポタージュでしょ、キッシュでしょ、さんまのマリネでしょ、それで、もう一品、忘れた。ちっちゃな皿やグラスに盛られて、4人分をポンと出してきて、みんなで取って食す。
で、前菜に入ると、スモークサーモン、北海道の何とかカボチャでしょ、ポロネギの茹でてアスパラみたいな味と食感になったやつでしょ、エビをズッキーニで巻いたやつでしょ、あと、なんかの天ぷら(これも忘れた)。
次は海のものね。これはホッキ貝のソテー。とてもよい焼き具合。それに野菜のグリエ。
次はスープと来ました。前日のテルツィーナでも食した柳の舞っていう名前の白身魚のグリエしたのを沈めて、上に舞茸を載せ、そんで魚のフュメを注ぐという趣向。
主菜は鴨でした。山わさびのソースというかコンディメントをかけて、下には焼き葱という定番。
そんで、デセール。白ぶどうの実とジェルの上に赤ぶどうのソルベを載せたもので、じつはこれがいちばんうまかったです。
っていう書き方でわかると思いますが、料理は可もなく不可もなく、予想した味が予想したとおりに舌に載る、というふうで、安心して食べられます。フレンチというより、料理としてはもっと素朴なイタリアンのアプローチに近いかな。まあ、雰囲気もあわせるとこれで上々というべきでしょうね。
しかしダメなのです、この店。何がダメかって、ここのウェイティングスタッフです。
ちっとも微笑まない。料理の描写がぞんざい。なんだかすごく無愛想で、わざとじゃないんだけど、木で鼻をくくったような、というか、というより力量、器量の問題なんだろうなあ、アルバイトなんだ。応対が、プロじゃないのです。
料理がこのレベルだったら言葉一つで客を上機嫌にもできるはず。そんで笑顔一つで☆半分追加ですよ。ちょうど、そうやって言葉で飾ってやれば☆1つ、言葉がなければ☆なし、というそんな境界線上にある料理なのです。大きな窓の向こうには広大な自然が広がり、青空には雲までもが力を持って描かれている。そういう最高のロケーションおよびシチュエーションで、この客対応はないよなあ。
それともうひとつ。あの、くだらないフラットウエアはやめるべきです。見た目はかっこいいけど、柄も刃も細すぎて使っていて手の中でくるくる回っちゃう。バカげたデザインのナイフとフォーク。大量に揃えて買っちゃったからしょうがなく使ってるんでしょうがねえ。
ということで今回の訪問を基にした判断では、結果的にはちっとも面白くない、スタイルだけがおしゃれなレストランでした。
行きたい人は行って、という感じです。
じつにもったいない。
夜はもっとプロが応対してくれるのかしら?