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やくみや

2007-02-14
小料理・飲み屋
やくみや

東京・新宿歌舞伎町1-1-7-2F(ってか、ゴールデン街の並びの花園五番街の花園神社寄りです)
090-6702-4879

久しぶりにゴールデン街に入り込みました。するとあなた、いまゴールデン街、再開発っぽいってか新しいお店がたくさんできて、すごい様変わりです。話には聞いていましたが、いやはや、とてもトレンディー。みなさん相変わらずのちっちゃな店構えですが。

で、ここはあの乾きものしか出なかった時代のゴールデン街からは考えられない料理屋さんなのです。とはいえ店は2階にあって5〜6席だけのカウンター。3階にも6〜7人は入れるちょいの間があるそうですが。
そこに火器を持ち込んで、なんとちょっとした天ぷらなんかまで揚げてくれます。

カウンターの向こうで、林佐和さんという清楚な美人が、美少年のようにハンサムな動きで小アジの南蛮漬けを盛りつけたりカワハギを肝と刺身にしてくれたり鶏を柚子胡椒でグリルしてくれたりイワシの梅干し煮を小鉢盛りしたり、コゴミと蕗の薹と山ウドを天ぷらにしてくれたりセロリのおひたしを出してくれたりしてくれます。そしてそのそれぞれがきちんと日本料理の基本に忠実で(きちんとだしをとってるしね)、そこにさらに佐和さんの主張がさりげなく乗っている。

いちいちうなづいて食べたその中のイワシの梅干し煮は、ほんとに梅干しの味がすっと表に出てきていて、ふつう梅干し煮とはいっても隠し味程度にしか梅干しを使っていない遠慮したような臆病で凡庸な梅干し煮に出逢うことが多いのですが、佐和さんのはちゃんと梅干しなのです。それも押し付けがましくない程度にすっと立ち現れる梅干しの味。梅干し自体がおいしいんだね。そういったら、友達のおかあさん?だかがつくってくれた梅干しだそう。その他、その日その日で冷蔵庫から見繕ってきれいに料理を目の前で作ってくれる。聞けばやはり何軒かの料理屋さんできちんと働いてきた人なんですね。たんなる自分流ではない背筋の通り方。

お酒もおいしいのがおいてありますよ。はやりの焼酎も選んで各バラエティがそろえてある。日本酒もいい。ビールはハートランドの生をクリームのような泡で蓋して注ぎ入れてくれます。おまけにワインまで美味しかった。カリフォルニアのシラー「Heart of Claudia」、ボトルで3500円だって。よく見つけてきたねー、こういう値段で出せる美味しいワインを。それだけ取っても誠実な店だということがわかります。

こういう店は誠実な人しか行ってはいけません。大切にしなくてはならない店です。佐和さんとそのパートナーの女性の2人が切り盛りするこの店に、あるいはその2人に、意地悪をするやつはオレがゆるさない、ってそんな気分になる店です。ええ、わたし、完全に惚れてしまいました。はは。

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