フリッツ
2007-05-26
洋食
フリッツ
☆☆
東京・千代田区永田町2-13-10
プルデンシャルタワー1F
(赤坂見附)
03-3500-3755
今回の日本ツアーの最初の夜は、もうどうしても食べたかった豚カツにしました。
アメリカにいると、豚カツのまず豚が美味くない。さらにその豚から脂身がきれいに削ぎ落とされていてうまみもなにもあったもんじゃない。そんで大変なストレスになるわけです。ってまあ、それほどでもないけど。
で、その食い初めの豚カツ、どこに行こうか、と迷った揚げ句、豚カツ屋さんではなくてこの洋食屋さんに行くという選択をしたのでしたが、これが大正解。美味いとは聞いていたのですが、これほど美味いとは思わなかった。
わたしはそもそも、豚カツは肩ロースに近いほうのリブロースの、ロース芯がちっちゃくて、外縁の脂身の他にもう一本ロース芯を取り巻くように脂の入っている、そしてその間のさしの入った赤身の部分が美味しいんだよねえ。何てんだっけ、この部位。その大判のチョップを、ざくざくしたパン粉で包んでラードで揚げる、というのを至上のものとしております。でも、もうこの際、細かいことは言わないからとにかく早く食べようよ、ということで3人で行って、いろいろ頼みました。
そんなときでもビールを飲んでワインを頼んでしまう業深い私たちですが、まずは前菜としてソーセージやらパテやらポテサラやらキュウリの浅漬けやらの6種盛り。いいんでないかい。
それから、これ、何だと思います?
鯵フライなの。フィレにして揚げたのね。おいしいのだ。サクサクです。そんで、ソースが、タルタルは普通でしょうけど手前のふわふわしてるの、これ、天つゆの泡ソースでした。おもしろいねえ。というか、こんなところにまで泡ソースが拡大してるのだなあ。
で、これはコロッケ(1個480円)。でもコロッケは普通でした。というかイモイモしてて、その芋がちょっとでんぷん質が固まっててそう感心しなかったです。
でもこの、あたかも縄文火焔土器のごとき風情のミンチかつ(780円)、いい姿ですねえ、これはジューシーで美味しかったわ。
で、さあ真打ちは、この超厚切りロース(2680円)! 絶品です。
値段に文句は言えませんってな感じの味と顔つきです。
ここ、三元豚と鹿児島黒豚の2種類があるようで、黒豚のほうは1.5倍高いんですけど、頼んだのは三元豚。でもわたし、分らないと思います、違いが。どっちとも美味しいから。こうなるとリブロースとかいってなくてもうまい。まったく豚臭くない。そりゃ当然ですわね、日本じゃ。おまけに、ラードで揚げたのかと勘違いしてしまった私です。でもじつは油はサラダ油と胡麻油のブレンドだそう。勘違いはこの肉自体の持つ脂身の味だったのです。甘いんだわ、すっげえ。
で、わたしたち、ここまで来たら欲張りで、食ってないものも食っちゃおうということでこの鹿児島黒豚のロースのパンソテーをたのんじゃいました。
これこれ、この大判。写真で言うと、右側の三角の部分がいちばん美味しい部位。さっき書いた部分。
ポークソテーって、わたし、自分でおいしいソースを作れます。ここのはちょっと甘かったけど、あのね、お肉を取り出した後のフライパンのこびりついたビッツを生かしてそこに白ワインとブランデーとちょっとだけマスタードとお醤油とちょっとだけウスターソースとちょっとだけお砂糖と胡椒と、そんでお酢(シェリービネガーがいいけど米酢でも結構)とレモン果汁を入れて、最後にバターを入れて混ぜてとろみをつけて出来上がり。お試しあれ。
豚カツとかフライなんてね、油がよくて揚げるものがよければだいたいは何でも美味しいんだけど、でもわたし、今回はエンドルフィンが出っぱなしでこの単純な料理に☆2つを出してしまいました。しっかし、世の中に豚カツほどじんわりと嬉しい食べ物ってあるんでしょうかねえ。
この夜は、ワインもボトルで飲んで1人6000円ほどで済みました。おほほ、堪能っす。
(だれか、こんどはラードで揚げてるおいしいところ教えてくれないかしらん)